
先日、愛車の買取査定をしてもらったときのことです。
とても綺麗に乗っていたので「ぜひ店頭で売りたい!」と査定員さんも乗り気だったのですが、後日連絡があり、思わぬ指摘を受けました。
「ボンネットに貼ってある黒いデカール(メーカー純正のシート)が、3年経って少し色褪せてきていますね。これを綺麗に剥がせないと店頭に並べられないので、買取価格が下がってしまうかもしれません」
査定に来た営業マンはそんなこと一言も言っていなかったのに、一旦持ち帰って上の上司が見たら手のひらを返したような回答です。
貼ったときは「かっこいいな」と思って付けた純正オプションですが、まさかシール1枚で車の価値を下げられるリスクになるとは思いもしませんでした。
そこで、「じゃあ綺麗に剥がすにはどうすればいいの?」「塗装を傷めずに剥がせるの?」と、ディーラーや大手カー用品店など、いろんなところに問い合わせてみました。
ところが、返ってきた答えは全員揃って「分からない」でした。
「張るのも剥がすのも外注に頼んでいるから分からない」
「自分でやったことがないから感覚的にも分からない」
「万が一、剥がすときに塗装が傷ついても責任は持てない」
営業に聞いてもラチがあかず、サービスに回され、サービスも「外注に問い合わせてみます」と……結局、たらい回しでぐるぐる回るだけ。
客観的に見れば、メーカー側からすれば「ステッカーのメンテナンスなんて自分たちの守備範囲外(別扱い)」ということなのでしょう。
それにしても、大きな看板を掲げている割には責任逃れと予防線張りばかりで、誰も明確な回答ができないのです。売るときは「いいですよ!」と調子よく勧めておきながら、数年後のリスクも知らなければ、責任を持って問題解決できる人間が一人もいませんでした。
頼りにしている専門家からそんな生ぬるい回答をされたら、お客さんとしては「自分が求めていた答えと違う」「もっとプロとして頼りになる回答が欲しい」と思うのは当然です。
「分かんねえ同士でぐちゃぐちゃ話してても無駄だな……」と心底がっかりしました。
結局、自分であれこれ調べて行き着いたのは、近所にある小さなラッピング・フィルムの専門業者さんでした。
その専門家に相談すると、
「3〜4年経ったシートは硬化しているので、強引に剥がすとトップのクリア塗装まで持っていかれるリスクがあります。でも、状態を見ながら慎重に温めて剥がせば綺麗にできる場合もありますよ。まずは現物を見せてください」
と、リスクの理由も剥がし方について、プロの経験値に基づいた言葉でハッキリと答えてくれました。
◆ プロとして「それ以上の回答」を届けるために
今回の件で、私はすごく大きな学びと気づきをもらいました。
問題が発生したときに頼りになるのは、口上手な営業マンではなく、実際の現場を知り尽くした「専門知識」と「経験値」を持った人間です。
経験値があるからこそ、言葉に責任を持ち、「できる・できない」や「こういうリスクがある」という回答がハッキリと言えるのです。
建築業界も、まったく同じ構造があります。
見栄えが良いだけのデザインや、後々メンテナンス費用が跳ね上がるような建材を「今、売れるから」という理由で勧めてしまう営業マンは少なくありません。そして問題が起きれば外注や現場に責任を押し付けて逃げてしまう。
でも、お客さんが家づくりや将来のメンテナンスで不安に思ったとき、マナホームは絶対にそんな曖昧で責任逃れのような回答はしません。建築のプロとして、お客さんが求めている以上の「精度の高い回答」と「誠実な提案」をしっかりとお返しする。それがプロとしての責任だからです。
他社の対応にがっかりさせられたからこそ、自分たちは「お客さんが一番求めている明確な答え」をしっかりと示せる、本当の専門家であり続けたい。
車のデカール1枚から、マナホームが目指すべきプロとしての誇りと姿勢を、改めて強く再確認させられた出来事でした。









