
お盆の帰省が終わり、賑やかだった街にも、穏やかな日常が戻ってきました。実家で過ごされた「一期一会」の温かな時間の余韻を、今も胸に残されている方も多いのではないでしょうか。
お盆のこの時期、ご実家に帰られたお施主様からこんなお話を聞くことがあります。
「仏間の隣にある古い木柱に、自分が子どもの頃に刻まれた背丈の傷が残っていてね。今回、自分の子どもの背も一緒に合わせてみたら、おじいちゃんがすごく嬉しそうにしてくれたんです」
何本もの小さな横線と、色褪せた鉛筆の文字。
その柱に刻まれた傷は、単なる成長の記録ではありません。ご家族がその場所で、何十年もの時間を一緒に重ねてきた「証」であり、一期一会の日々を黙って見守り続けてきた大切な記憶です。
実家の匂いがどこか愛おしいのは、こうしたご家族の思い出が、木の香りに深く染み込んでいるからなのかもしれません。
私たちが日々向き合っている「新しい家づくり」も、いつか誰かの大切な「実家」になっていきます。新しい柱が、これから何十年と続くご家族の「一期一会の日々」を、温かく、そして力強く刻んでいく場所。
傷がつくことを恐れるのではなく、傷さえもご家族の物語として愛おしめるような、そんな「生きた時間」を育む家をお届けしたい。
実家で過ごされたみなさまの温かな風景に思いを馳せながら、つくり手としてそんな決意を、静かに噛み締めています。









