ふと街を歩いたり、若い人たちの暮らしぶりを眺めたりしていると、「時代の空気感って、本当に変わったな」と感じることがあります。
私たちが若かった昭和の時代。
あの頃の日本人は、どこか熱狂的に「外の世界」に憧れていました。映画で見たアメリカのライフスタイル、広々とした芝生、西海岸風のサーファーハウス。カバードポーチのベンチで風に吹かれながら海を眺めるような暮らしに、誰もが心を躍らせていたものです。
ところが、今の20代・30代の若い世代と話をしていると、見ている景色がまるで違うことに気づかされます。
スマートフォンを開けば世界中の情報が瞬時に手に入る時代です。海外が遠い存在ではなくなったからこそ、無条件に外国を神格化することはありません。むしろ「無理をして外へ出なくても、安全で食事がおいしく、暮らしやすい日本国内で家族と静かに過ごすのが一番快適だ」という、とても地に足のついた現実的な感覚を持っています。
節税や事業のグローバル化を目指して拠点を海外へ移す人々もいれば、日本の治安や暮らしやすさを求めて海外からやってくる労働者の方々もいる。世代によっても、国籍によっても、いま日本の中で交差する価値観はかつてないほど複雑になっています。
では、これだけ世の中の考え方が変化している時代に、これからの「家づくり」には何が求められているのでしょうか?
派手なデザインや、一時の流行り(トレンド)を追いかけた家は、時代の変化とともにどうしても色褪せてしまいます。外側の環境がどれだけ目まぐるしく変わったとしても、人々が家に対して求める根本的な願いは、実はいつの時代も、どの世代でも変わりません。
それは、「安心して、健康に、家族が快適に籠もれる場所であること」です。
特にネットで知識をしっかり勉強している今の若い施主様ほど、表面上だけをおしゃれに繕ったハリボテの家には騙されません。
① 夏は涼しく、冬は暖かい「確かな断熱・気密性能」
② 地震や災害から家族をしっかり守る「目に見えない構造の強さ」
③ 職人の手仕事によって、ひとつひとつ丁寧に仕上げられた「施工の品質」
こうした「暮らしの実利」や「住まいの本質的な品質」を、若い世代ほど冷静に、そして真剣に見極めています。
海外への憧れで家を建てた時代から、足元の快適さと安心を求めて暮らしを整える時代へ。
時代がどれほど複雑になり、見ている景色が変わったとしても、真面目につくられた快適な家の価値が揺らぐことはありません。
これからも時代の変化をしっかり見つめながら、住む人が心から安らげる「本物の住まい」を、職人のプライドを持ってつくり続けていきたいと思います。









