2026年09月23日

「すべてのピースがハマる場所」——台風のあとに考えた、この国で命と未来を守るということ

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台風25号が過ぎ去り、ニュースでは連日、各地の深刻な風水害や避難の様子が報じられています。被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

川の氾濫や地域の浸水といった現場を目の当たりにすると、私たちが暮らすこの日本の「自然の猛威」の恐ろしさを改めて痛感させられます。そして、家族の命を守る住まいを計画する者として「どんな災害が来ても絶対に大切な人を守り抜く基盤をつくる」という決意を深く胸に刻む機会となりました。

■ 茨城の街を走りながら感じた「歴史の必然」

本日、車を走らせながら茨城県の「つくば」から「東海村」、そして「大洗」へと続く一帯を巡っていた際、信号待ちの景色を眺めながら、ふと頭の中でひとつの大きな問いが繋がりました。

「なぜ、この茨城の地に、日本の未来を左右する国家レベルの最重要拠点がこれほど集積しているのだろうか?」

沿岸部の東海村大洗町、お隣の那珂市には、日本初の原子炉や核燃料サイクル工学研究所(JAEA)、そして未来の究極エネルギーと呼ばれる「核融合(かくゆうごう)」の超大型国際実験施設(JT-60SA)がずらりと並んでいます。

「核融合」とは、原発(核分裂)とは全く異なる「地球上に小さな太陽をつくる技術」です。海水の成分を燃料にするため資源は実質無制限。二酸化炭素を出さず、従来の原発のような爆走リスクもない「極めて安全で夢のような究極エネルギー」として世界中で開発競争が行われています。

ポイントは、原発とは仕組みも安全性も根本的に異なる「未来の安全な技術」だという点です。

そして県南のつくば市には、日本の宇宙開発の心臓部「JAXA(筑波宇宙センター)」をはじめ、ノーベル賞級の研究を生み出す高エネルギー加速器研究機構(KEK)、産業技術総合研究所といった、国を代表する最高峰の頭脳が集結しています。

一歩間違えれば重大なリスクを伴う巨大エネルギーと、国家の最高頭脳。
なぜ日本国は、社運を賭けたグランドデザインとして「この場所」を選んだのでしょうか。

■ パズルのピースが「バチバチッ」とハマった理由

単に「広い土地があったから」ではありません。そこには、歴史的・地理的な決定的な理由がありました。

まず東海村や大洗のエリアには、戦前・戦中に使われていた旧陸軍の飛行場や射撃場などの「広大な国有地」が手つかずで残っていました。ゼロから民間の土地を買い占めることなく、国がすぐに使える安全な広大な土地がたまたまそこに存在していたのです。

一方の「つくば」は、昭和30〜40年代、東京の激しい過密化と災害リスク(首都直下地震など)を分散させるため、国の機関を丸ごと移転させるという国家計画から生まれました。東京から近く、巨大な実験施設を揺るぎなく支えられる「筑波山麓の強固で平坦な地盤」と「広大な敷地」が揃っていたのがつくばでした。

つまり、ここには安全と未来を担保するための条件が、まさにパズルのピースのように「バチバチッ」と完璧にハマりきっていたのです。

① 【地盤の強さ】 精密な実験や巨大構造物を支える、筑波台地・常陸台地の揺れに強い強固な地盤。

② 【豊富な水】 巨大施設や冷却に必要な、太平洋の海水と霞ヶ浦・利根川の豊富な淡水。

③ 【安全な距離】 万が一に備え、周囲と十分な距離を置ける「旧軍用地などの広大な国有地」。

④ 【首都圏へのアクセス】 東京から100km圏内という、人や技術、電力をスムーズに送れる絶妙なロケーション。

どれほど広い土地であっても、地盤や水、アクセスが欠けていれば使い物になりません。
「失敗が絶対に許されない危険」を扱うからこそ、すべての条件を100%クリアできた唯一の場所が、この茨城の地だったのです。そして、リスクを理解した上で「科学技術で国と地域を発展させよう」と受け入れてきた地元の方々の強い覚悟と厳重な安全管理があったからこそ、今の日本の科学技術があります。

■ 家族の「命を守る拠点」を創るということ

国の国家プロジェクトであれ、私たちが暮らす「一軒の家」であれ、本質はまったく同じです。

台風や地震が来るたびにビクビクと脅かされるのではなく、

① 「どんな地盤の上に建てるのか」

② 「どんな構造で水害や地震から命を守るのか」

③ 「その土地が持つポテンシャルと、建物がどう噛み合うのか」

危険と隣り合わせのこの国だからこそ、うわっつらのスローガンや表面上のデザインに惑わされることなく、すべての条件のピースを完璧にハメ合わせ、揺るぎない安全な基盤を築くこと。

各地で起きる水害の現実を直視し、感情に流されず茨城の地盤と歴史の重みを感じながら、これからの日本で家を建てるということの本当の意味を深く再確認しました。

大切なご家族の命と未来を預かる建築のプロとして、マナホームはこれからも妥協のない「最高のピースがハマる家づくり」に魂を込めて取り組んでまいります。

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