
先日、マナホームの事務所に、日頃からお世話になっている協力会社の社長さんが打ち合わせで訪れたときのことです。
ふと窓の外を見ると、その社長さんが乗ってきた愛車に目が止まりました。レクサスや大型のSUV、時には輸入車など、隅々まで綺麗に手入れされた素晴らしい車です。
現場で実際に作業をするときは、道具を積んだ作業用車両で泥にまみれて汗を流している社長たちですが、こうした打ち合わせや移動の際には、実によく手入れされたこだわりの愛車で駆けつけてくれます。
車を大切に手入れし、心にも資金にもゆとりを持って愛車を楽しんでいる姿を眺めていて、ふと私の頭の中に「建築業界や世間でよく見られるちょっと不思議な現象」が浮かびました。
それは、「大手や元請けの社長・会社員は質素で地味に見えるのに、現場を仕切る下請け・協力会社(土木や解体、足場など)の社長は、派手で良い車に乗っていることが多い」という現象です。
会社員や公務員として真面目にコツコツ働いている方から見ると、「なぜ独立した途端にそんなに羽振りが良く見えるのか?」「ちょっと派手すぎやしないか?」と、どこかモヤッとした疑問を感じることもあるかもしれません。
実はこれ、単なる「見栄」や「成金」の話ではなく、それぞれの置かれた立場と「経営・人生の戦略」がまったく違うからなのです。
1. 大手・元請けが「あえて地味」を貫く理由
大手ハウスメーカーや元請け企業のトップ、そして真面目な会社員・公務員の方々が派手な暮らしをしないのは、「できない」のではなく「あえてしない」のです。
元請けはお客さま(施主様)から直接お金を預かり、何十年という長期の保証と信用を背負います。世間の目もある中で、「施主様のお金で派手な車に乗っている」と思われることは、信用失墜という最大のリスクになります。
だからこそ、彼らは「誠実さと安心感」というプロ意識のもと、あえて質素で地味な立ち振る舞いを選択しています。
2. 現場の社長たちが「良い車」に乗る理由
一方で、現場の最前線で命がけのリスクを背負う協力会社の社長たちはどうでしょうか。
彼らは過酷な現場を仕切り、慢性的な若手不足の中で「うちに来たら稼げるぞ」「男の夢が叶うぞ」という背中を若い職人たちに見せる必要があります。つまり、わかりやすい成功の象徴(高級車)に乗ること自体が、
現場を引っ張るエネルギーであり、強力な採用ブランディングになっているのです。
さらに言えば、高いリセールバリュー(価値が落ちにくい車)を選ぶことで、いざという時の会社のキャッシュを守るという「賢い資産防衛(節税とリスクヘッジ)」の側面もあります。
3. 時代の変化と「飛び出す人たち」の覚悟
最近では、誰もが知る超大手ハウスメーカーで活躍していた優秀な営業マンや社員たちが、
現場を離れて転職したり、独立して地域の工務店側へ飛び込んでくるという話を本当によく耳にするようになりました。
大手の安定や「看板」を捨て、自分の腕一本で大海原へ飛び出す。
彼らが独立した途端に生き生きとし、時には派手に見えるほどのエネルギーを発揮するのは、抑圧されていた情熱の解放であり、「これからは自分の力でリスクを負って生きていく」という男の覚悟のあらわれなのだと感じます。
◆本当の「豊かさ」とは何か?
公務員や会社員として、確実な安心と社会的信用を守りながらご家族と穏やかに暮らす生き方。
リスクを背負って独立し、過酷な現場で夢とエネルギーを追う生き方。
どちらが良い・悪いということは一切ありません。
車の楽しみ方も、人生の選択も、それぞれの立場で自分の仕事に誇りを持ち、大切なものを守っている「全員がプロフェッショナル」なのです。
車や外見の派手さは、外から見えやすいほんの一面に過ぎません。
本当に大切なのは、見た目の派手さに惑わされることなく、「自分自身がどんな価値観を持ち、どんな暮らし(住まい)を愛着を持って育てていくか」ではないでしょうか。
マナホームは、見せかけの派手さではなく、頑張るすべての人たちの「身の丈に合った、心から安心できる豊かな暮らしと家づくり」をこれからも応援していきたいと思っています。








